2009年08月26日

2009 LE MANS 24 HOURS(8)

今日はお休みしていたルマン日記の続きです。今回は決勝日(の続き)日曜日の模様です。

土曜日の夜、疲れてB&Bに帰った後もなんだかんだ夜中の3時頃までTVでレースの様子を見ていました。

と言っても、フランスでも地上波での生放送はないらしく、ドイツのユーロスポーツで見てました。B&Bはサーキットからすぐの所にあるから音は窓から入ってくる生の音、映像はドイツ経由…もちろん実況もドイツ語だから全然わからない…。

そんな状態でTVを2時間か3時間くらい見てから寝ました。


そして・・・日曜日の朝、サーキットに行ってみたら、顔つきが変わった車が何台も。
クラッシュなどの影響で自分のチームのパーツを使い切ってしまったのか、カラーリングがされていないパーツを使ってたり、違うチームのものを使ってたり・・・。現地ならではの姿を見ることができました。

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#96 VIRGO MOTORSPORT FERRARI F430GT

フロントフェンダーがカーボン剥き出しのものに変わっていました。ヘッドライト周りにも隙間だらけでいかにも無理矢理くっつけた感じでした。

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#75 ENDURANCE ASIA TEAM PORSCHE 911 GT3 RSR

このチーム、朝までガレージでしばらく止まっていました。
#70か#77のフロントバンパーを付けて、ゴールまであとちょっとの時からまた走り始めました。

ただ、結構いっぱいいっぱいだったようでゴールの時はコントロールライン手前でトップのプジョーが来るのを待ってチェッカーを受けていました。

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#87 DRAYSON RACING ASTON MARTIN VANTAGE
 & #84 TEAM MODENA FERRARI F430GT

自分が気になる存在だったドレイソンレーシングの車も朝になったら人相変わってました(笑)
なぜか両側ヘッドライト周りにガムテープが貼られて顔つきがすっかり変っちゃってました…。
ちょっと残念。

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#84 TEAM MODENA FERRARI F430GT

↑のドレイソンの車の後ろに移ってる車にマンセルJr.こと、レオ・マンセルが乗ってました。はっきりヘルメットが写ってたのでUpしてみました。お父さんと同じようなヘルメットなんですねー。

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#24 OAK RACING PESCAROLO MAZDA

ここのチームも走り切りました。
ここに乗ってるドライバーたちと車検の時に雨宿りしたときにたまたま隣にいたからそこで話したのが今となってはいい思い出。

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#7 PEUGEOT 908 HDi FAP

ファステストを連発しながら6位まで追い上げてきた#7のプジョー。

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#8 PEUGEOT 908 HDi FAP

序盤はここが勝つことになるんだと自分も確信してたけど、最後には2位に。

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#9 PEUGEOT 908 HDi FAP

この3台のプジョーの中で唯一、チームのエントリー名が違う#9がトップになるなんて自分は全く思っていなかったけど、よく考えたらこのチームにはルマンウィナーのドライバーが2人もいる。ベテランのうまみが出てきた感じ…かな。

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#007 AMR EASTERN EUROPE LOLA ASTON MARTIN B09/60

3台のアストンマーティンワークスの中で唯一エントリー名が違う#007がアストン勢のトップに。

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#008 ASTON MARTIN RACING LOLA ASTON MARTIN B09/60

途中のアクシデントなどいろいろあったけど最終的には13位フィニッシュの#008。チームメイトの#009はアクシデントでリタイヤしてるのでゴールまで残ったワークスアストンは2台でした。

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#13 SPEEDY RACING TEAM SEBAH LOLA ASTON MARTIN COUPE
 & #33 SPEEDY RACING TEAM SEBAH LOLA MAZDA COUPE

このSPEEDY RACING TEAM SEBAHはクラスと搭載エンジンの違う2台のローラでエントリーしてたんですが、最後は2台で編隊を組んで走ってました。

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#33 SPEEDY RACING TEAM SEBAH LOLA MAZDA COUPE

で、その#33も最後はガムテープだらけに…。でも、総合12位、LMP2クラス2位でフィニッシュ。

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#64 CORVETTE RACING CORVETTE C6.R

ゴールまであと少しの所でLMGT1クラス2位を走ってた#64のコルベットワークスがストップ。ここに来た時には既にエンジンが掛かってなかったようでした。

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#39 KSM LOLA MAZDA SPYDER B07/46

そして…チーム郷のクラッシュの片付けに伴うセーフティーカー導入中に燃えちゃいました。マシューが言うところの「KSM BBQ」という…。

マシューや野田秀樹の乗ってたKSM。エンジンが止まった状態でピットレーンに入ってきました。この時、ドライバーは野田秀樹だったんですが最後まで降りなかったし、最後まで降りなきゃ偉いというわけではないけれど、この粘りはすごかった。意地が見えたみたいで。この姿、すごく感動しました。

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PEUGEOT 908 HDi FAPの3台。

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編隊を組むために2位を走ってた#8、6位の#7が大幅にスローダウンしていました。編隊を組み始めるのっていつごろなのかわからなかったから最初は#7も#8もスローダウンか!?と勝手に思って焦ってしまったのはここだけの話です。


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AUDI R15も#2がクラッシュで消えたので最後まで残ったのは2台だけ。#1こそ3位だったものの、#3は17位完走。これじゃ、アウディは不満の残る結果でしょう。だってカスタマーのR10の方(スピードはともかく)が信頼性は高かったんだから…。

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LOLA ASTON MARTIN B09/60

アストンワークスも残った2台で編隊を。3台いないのは残念だったけど、2台でもすごくかっこいい。

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ファイナルラップの最終シケイン。もうマーシャルたちは旗を振って迎えていました。昔、TVで見たことのある光景だったけどやっぱりTVとは全然違うし感動したねー。

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ゴーーーーール。

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3台並んでゴールするのはいいですね!
ピットウォールで出迎えるチームクルーたちも大きな旗を振って待っていました。

感動でしたね。

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#63 CORVETTE RACING CORVETTE C6.R
 & #64 LUC ALPHAND AVENTURES CORVETTE C6.R 

トップのプジョーがゴールした後にも続々と編隊を組んだチームが。
それぞれチームメイトを欠いた状態でコルベット同士が2台でチェッカー。

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#82 & #83 RISI COMPETIZIONE FERRARI F430GT

リシコンペティションの2台も並んでチェッカー。クラス優勝とクラス3位。とても優秀な成績です!

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#99 JMB RACING FERRARI F430GT

これってどこの国旗ですか?
チームの国籍はモナコ、ドライバーもフランス人…なのになんでこの国旗?

でも、こうしてファイナルラップにこうして旗を振ってるためには少なくとも最後のピットインの時にこの旗を車の中に仕込んでいるはず。その時ってどんな気持ちなんだろう?祈るような気持ちなのかなぁ?

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自分たちの目の前で止まりそうなスピードで2台並べたアウディの2台。いろんなクルーに拍手されながら。優勝したプジョー3台が通過した時はお祭り騒ぎでこんな写真撮れなかったけど、このアウディの時は少し収まってたかな。


写真だとうまく伝わらないけれど、感動のフィニッシュでした。
ルマンがすごいのって完走したマシンは順位に関係なくいろんな人…ほとんどすべての人から祝福されること。ファンもすごい!日本じゃこんなのありえない。比べちゃいけないんだよね。

いやぁ、本当に感動した。プジョーの優勝だけでなくいろんなドラマがあった中でフィニッシュしたマシンたちを見てるのはとても貴重な体験でした。


次回はこの続き、表彰式の模様を書こうかと思います。次で最終回かも・・・ね。
posted by Yoshitaka at 19:37| Comment(9) | TrackBack(0) | 2009 LE MANS 24HOURS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやーイイです!!羨ましすぎますわ!

パーツの譲り合いなんてルマンでしか考えられないですよ。同じメーカーと言えどもライバルチームから借りて走るなんて微笑ましいし応援したくなります。
ワークスのランデブー走行はルマンならでわですよねぇ。

観客は国の違い、文化の違いもあるでしょうね。
本当にサーキット全てが一つになり全てのチームへ祝福、感謝の気持ちがあふれてると思います。
それが長く続き世界三大レースと言われる由縁じゃないでしょうかね。

ちなみに去年のゴール時に自分達はピットウォールでテラモスを出迎えました。本当に感動した瞬間でしたよ。

次回も楽しみにしていまーす!!
Posted by けん坊 at 2009年08月26日 20:51
ようやくフィニッシュまでレポート終わりましたね、ご苦労様。次回で最後ですか、楽しみにしてますよ。

しかし、朝になるとみんな壊れてるとかって、さすがルマンだなあって思います。夜の間にも色々あったんでしょうね…

以前、ルマンに出場したドライバーの人が
「真夜中、真っ暗な道を300kmで走り続ける意味が分からない。これが憧れていたルマンなのだろうか?」
なんて書いていましたが、そんな夜を乗り越えてこそゴールした時の感動があるんでしょうね…。

こんな無茶なレースを80年も続けているフランス、やっぱりモータースポーツの文化の深さが違いますね。
改めてルマンってすごいんだなーと認識しちゃいました!
Posted by おひつじ@tak at 2009年08月27日 03:35
2ヶ月経った今もゴールシーンは鮮明な記憶だね〜。
ガムテープベタベタなマシンも、ルマンみたいな長距
離レースならではだね。
最初の頃は、ガムテープとか、汚れとか気になったけど、
今はそれが24時間走り抜いた勲章みたいで、その汚れが
かっこいいのよねーと思えるようになった。笑
#99の国旗は、ポルトガル国旗みたいね。
マヌエル・ロドリゲスというドライバーが、フランスとポルトガルの
多重国籍の人みたい。
マシンのミラーのすぐ上のところに書いてある名前も、
ポルトガル国旗になってるっぽい。
Posted by minori at 2009年08月27日 23:02
☆ コメントくださった方へ

いつもコメントありがとうございます。ちょっと外出していてコメント管理できずすみませんでした<(_ _)>

遅くなりましたが今からそれぞれお返事書きますのでお待ちください。
Posted by Yoshitaka at 2009年09月01日 00:49
☆ けん坊さん

お返事遅くなってごめんなさい。

ゴールの時、どうしようか考えてたんですよねー。でも、自分の指定席をこの最終コーナーのスタンドにした意味ってスタートとゴールを見たいからという意味もあったので、せっかくなら表彰式の場所取りなどのためには動きたく無いなって思っていたんです。だから、レースの部分はずっとスタンドから見てました。

フランス人って不思議なもので24時間レースであってもスタンドでレースを見てるのは最初と最後の数時間だけっていう人が多いように感じました。スタートとゴールの時にはいろんな人がいて、特にゴールの時には目の前のイタリア人のおっちゃんがスクーデリアイタリアのファンらしく、スクーデリアイタリアはもちろん、フェラーリが通るとバカでかいイタリア国旗を振っていて(ご存じの通りフェラーリなんてすごい台数いるからほとんどずっと振ってました)…遮られちゃっていい写真が撮れなかったりしたんですが、自分も写真を撮るために行ったわけでもないし、楽しまなきゃと思ってプジョーの応援と祝福の拍手をしていました。

でも、けん坊さんが行ったの、今年じゃなくて良かったですね。今年だったら日本系のチーム、ドライバーは誰も完走してませんから(^^;

ランデブー走行、各チームが編隊を組み出した時からゾクゾクして鳥肌が立っていました。興奮とも緊張とも違う、「自分の目で見てるんだー」と実感したのかもしれません。
Posted by Yoshitaka at 2009年09月01日 01:00
☆ おひつじ@takさん

お返事遅くなってごめんなさい。

次回、"表彰式編"でルマン日記は終了かなぁと思っています。もうレースが終わって2ヶ月半経ってますからそろそろ終わらせないと(笑)

やっぱり大きなクラッシュは夜あったようです。ペスカロロのプジョー908やアウディ#2、アストン#008が消えていました。でも、自分でもあんまり自信が無くなってきちゃったんですが、日本の報道だと「(ペスカロロに乗ってた)トレルイエ大クラッシュ」って報道されてたようですが、自分の勘違いじゃなければレース後の車検場にペスカロロの908、置いてあったんですよ。そんなに大きな損傷があるようには見えなかったんですよね…。

また、次回の更新でも書きますが、自分もつい先日、カートの耐久レースに出てきたんです。(いろいろあってw)リタイヤだったんですけど、やっぱり耐久って大変ですよ。自分だけのマシンじゃないし、何よりも乗ってる時間が非常に長いので。ルマンとではレベルがエラく違いますけど、夕方スタートで夜ゴールの予定だったのでルマンっぽい雰囲気は味わえました。雰囲気だけは(笑)

夜のユノディエールを300km/h以上で走るのは絶対怖いです。昼間の90km/hでも怖いスピードでしたから(笑) 本当に思ってるより道が狭いんですよ。そこをプロトなど幅の広いマシンが並んで走るとしたら絶対に怖いだろうなぁと思いました。あそこで抜くのってゲームとかの感覚だとセオリーのように思っちゃいますけど、思ってたのとは違いました。あそこで完走したチームやドライバーはやっぱり偉大な存在に思えました。

でも、ルマンから帰ってきて思うことってやっぱりルマンで走ったマシンが1/43でリリースされないのが寂しい…というよりなんか理不尽に思えてきました。ダイキャストミニカーが敵のように見えてきてしまいます(苦笑) よくできてますんもんねー、ダイキャスト。でも、求めてるものとは違うんですよね・・・全然違うんですよねー・・・
Posted by Yoshitaka at 2009年09月01日 01:15
☆ minoriさん

お返事遅くなってごめんなさい。

そうそう、自分もね、レースが始まって最初のころは写真撮りながら「汚れるな、汚れるな!」って祈りながら見てたんだけど、だんだん汚れてるのは汚れてるのでそれなりに美しく見えてきて。不思議な感覚だった。

それで朝(昼か…笑)行ったらパーツが変わってるわ、ガムテープで補修してある車は多いわでびっくりしたけど、これがルマンの決勝なんだなぁっての日曜日になってから思った。minoriさんは何回か見てるからだいたいの流れとかわかってたかもしれないけど、自分は初心者だったからー(^^) でも、初めてのルマンとは思えないほど楽しめたし良かった。本当に楽しかったし、貴重な経験ができたから。

#99はやっぱりポルトガル国旗だよね。今回の更新に際してはちょっと下調べが足りなかったかな。反省(笑) 自分が参考にした本だとドライバーの国籍も全部フランスになってて…。よその国の国旗を掲げるわけがないもんね。自分が確認した中では、完走した後に何かこういった小物を取りだしてきたチームはここだけだったんだけど、他にも何かあったかなぁ?

将来、自分でも将来、ルマンに出てみたくなったよ(笑) 壮大な夢だけど。
Posted by Yoshitaka at 2009年09月01日 01:28
やっぱりいいですな、ナマが一番ですな。
各マシンがかっこいいこと。
デカールだけでも発売しないかな・・・笑
これだけのレースなのに、キット化されるマシンが少ないのもどうしてなのかね。
日本では人気無いのかな・・・
フェラーリのデカールだけでも欲しいですな。
Posted by エル at 2009年09月02日 18:03
☆ エルさん

もう本当に順位関係なく、国際的なレースに出る車はかっこいいです。たとえスポンサーのステッカーがベタベタ貼ってあるだけに見える車でも、大きなレース、偉大なレースに出ているとかっこよく見えちゃうから不思議ですね。

今年はGT2のフェラーリ当たり年なのでどこか(と言っても実質的にフジミでしょうか)がデカール出せばおいしいんじゃないかと思っちゃいますけどね(笑)

本当に不思議なのがプジョー908の1/43キットがどこからも出ないこと。ヨーロッパ車だし、ヨーロッパの文化だから絶対どこかが出してくれる!ってかなりの確信を持っていたんですが、未だにどこも音沙汰なし。ルマンミニチュアズがスパークと組んじゃったことがマズかったですねぇ。。。
作る楽しみとダイキャストを集める楽しみって似てるようで全然違いますからね…でも、こういう世界をビジネスにしてる人たちには「違う」ようには映らないのかもしれませんね…。
Posted by Yoshitaka at 2009年09月02日 22:48
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